2021年6月25日 トピックス

衛生画像から台風の勢力を高精度に推定するAIを開発~理工連携がもたらしたブレイクスルー~

 琉球大学工学部の宮田龍太助教、理学部の山田広幸准教授、伊藤耕介准教授らの共同チームが、単一の衛星画像から台風の強度クラスを高精度に推定するAIを開発しました。
 今年3月に大学院理工学研究科博士前期課程を修了した比嘉舞輝氏の修士論文テーマであった本研究成果は、2021年06月21日にNature Researchから刊行された国際誌「Scientific Reports」のオンライン版に掲載されました。


 衛星画像を魚眼レンズ風に加工した前処理により台風の眼や中心付近の雲分布を強調した画像をディープラーニングに見せることで気象学の専門家と似た視点を獲得し、先行研究よりもはるかに高い推定精度を達成しました。
 「衛星画像を魚眼レンズ風に加工する」アイデアは長年の台風研究で衛星画像を見続けてきた山田准教授によるものであり、気象学の知見をデータサイエンスに取り入れられたからこそ、今回のブレイクスルーは実現できました。

 台風は沖縄県にとって最も身近で危険な自然災害であり、正確な台風強度推定は気象学の分野でとくに重要な課題です。 提案モデルにより最大強度クラスである「猛烈な台風」の検出力も大幅に改善されたため、防災・減災につながることが期待されます。

発表概要

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