2021年10月15日 トピックス

琉球列島を含む太平洋および大西洋からセンナリスナギンチャク科の2新属3新種を発見

 琉球大学理学部の喜瀬浩輝博士研究員とジェイムズ・デイビス・ライマー准教授は、琉球列島を含む太平洋および大西洋から新属新種のスナギンチャク類Churabana kuroshioae(和名:ベニチュラタマスナギンチャク)、Vitrumanthus schrieri (和名:アミメルリスナギンチャク)、Vitrumanthus vanderlandi(和名:ヒメルリスナギンチャク)を発表しました。また、1908年に駿河湾で採集され記載されて以降、100年以上記録されてこなかったGemmaria oligomyariaを本研究によって確認することができ、学名をVitrumanthus oligomyariusとして発表しました。

 またDNAによる分子系統解析の結果、六放海綿類に共生するスナギンチャク類が、少なくても6つの系統に分かれることが明らかになりました。これは、六放海綿類への共生を複数回に渡って獲得したことを示しています。さらに、進化過程で共生する相手を六放海綿類から普通海綿類に乗り換えていた系統の存在も明らかになりました。このような宿主の乗り換えは、生物の多様化に影響を与えることが考えられていますが、海洋生物での知見は限られています。そのため、今回の発見は海洋生物の多様化メカニズムを考える上で、重要な発見と言えます。

研究概要

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