お知らせ
サンゴに堆積した軽石
2021年11月4日
真栄田岬近辺の潮間帯に存在するサンゴ群集の上には多量の軽石が吹きだまっており、ハマサンゴのマイクロアトール上には干潮時に軽石が多量に覆いかぶさる状態だった。
海面は生コンクリート状になっており、地面との区別が分からない。海中の起伏も全く分からない状態で、足を踏み外す危険があった。水中では、細かい軽石が排水弁に詰まるためスノーケルが使用できず、口呼吸のたびに軽石を吐き出す必要があり、耳や鼻に入り込んだ細かい軽石を調査後に吸引して排出する必要があるほどだった。
多いところでは、厚さ8㎝の浮遊軽石層が海面を埋め尽くすように浮遊しているため、水中では昼間でも真っ暗に近い状態であった。この周辺のサンゴはこのような異常な状態に少なくとも一週間以上さらされ続けていたことが分かっている。
海中は通常よりも強く濁っており、浮力が低下したと思われる様々なサイズの軽石が中層を浮遊し、海底には直径5㎝程の軽石が沈んでいた。
このような状態ではサンゴ体内の共生藻は光合成が十分に行えず、長期化するとサンゴとともに弱ってしまう可能性があるだろう。
真栄田岬近辺の潮間帯 26°26’39.1″N 127°46’11.3″E
【軽石観測情報】
衛星画像 Sentinel Hub EO Browser(外部リンク)
【サンゴ礁域の過去の軽石漂着研究】
Rapid, Long-Distance Dispersal by Pumice Rafting (2012)
Drift pumice at Christmas Island and Hawaii: evidence of oceanic dispersal patterns (2003)
Rafting of reef corals and other organisms at Kwajalein Atoll (1989)