2021年12月16日 トピックス

琉球列島初記録、侵略的外来淡水エビ発見

中国大陸と朝鮮半島に広く分布するカワリヌマエビ類の一種を、理工学研究科の永井大翔さんが垣花ヒージャーにおいて発見しました。この発見は、沖縄県初記録と同時に琉球列島初記録となります。このエビはすでに北海道から本州、九州から記録され、在来種ヌカエビの減少など生態系に悪影響を及ぼすことが報告されています。今回の発見は、偶然採集されたものではなく、沖縄島で個体群を維持していることも判明しました。


永井さんによると。このエビは「垣花ヒージャーで採集したエビ類の約99%占めていました.琉球列島における淡水エビ類の種多様性は国内において突出しており,外来種が生態系に与える負の影響が懸念されます。人が野外に放つことがなければ海を越えて分布を拡大することはないため,沖縄島以外の離島に定着する前に対策を始めるべきだと思います。」

指導教員の今井秀行准教授(海洋自然科学科・生物系)は、「この発見に驚いた。一生を淡水で過ごすため、誰かが放流してしまったようだ。イシガキヌマエビや世界自然遺産に指定された西表島の在来種イリオモテヌマエビと交雑する可能性が高いので、行政がしっかりと対策を立ててほしい」と話しています。


研究成果は、「沖縄島で初記録された侵略的外来淡水エビのカワリヌマエビ類」と題し、2021年12月号の学術誌の日本生物地理学会会報で掲載が決定し、19巻に印刷発表されます。

沖縄タイムス掲載記事(外部リンク)

Copyright © 国立大学法人 琉球大学 理学部・大学院理工学研究科